「さあぁ~ 眠りなさいぃ~ 疲れきった~ 体を~投げ出しぃーてぇ~♪」
by岩崎宏美「マドンナ達のララバイ」
いや、疲れきっているわけでない。
峠を越えるたび、襲い掛かる強烈な眠気は、「疲れ」ではなく、
奥多摩の魔物にとりつかれたかのようだ。
思考回路はショートして、「この坂道を登れば」→「眠ることができる」
と、ヘンな回路になっている。
「こうして遭難しちゃうのかな」
・・・くまさんからお借りした書籍(山岳遭難に関するもの)の数々が頭をよぎる。
さて、先を急ぎます。
【見頭山→御前山】
あまりに眠いので、FBに書き込んで気分転換しても、やっぱり眠い。
ここからは下り基調。
あっと言う間に第二関門の月夜見
(42Km)13時間2分
時刻は2時2分
水分の残量・・・300ml
水を1.5ℓハイドレに入れていただき、ブルーシートで休憩。
それもリタイヤテントに一番近いシート。
でもリタイヤはもう考えなくなった。
眠れば前進できるから。
シートは泥だらけだが、そんなことはどうでもイイ。
眠い。。。さあ、寝よう。。。
20分ほど貪り寝て、少し元気を取り戻す。
小河内峠先の上りを越えると、また眠気が襲う。
どうやら、心拍数が落ち着くとダメらしい。
御前山アタックの前に、しばし仮眠。もう、どこでも寝られる。
【御前山→大岳山】
御前山到着 時刻・・・4時02分
苦しい上りではなかった。休憩とらずに最後のボスキャラへ向かう。
順調に下山していたかに見えた。
が、
「ぬぉおおおっ!!!」転倒ともに
「バキッ!」
またトレランポールの別のつなぎ目が折れて、ついにオシャカ。
前後から「大丈夫ですか?」・・・
「はい(大丈夫じゃないけど)
大丈夫です。」
この先大岳山の岩場はトレランポール邪魔になりそうなので、
ここで相棒に別れを告げ、リュックにおさめる。
「長い間ありがとよ。合掌。」
気がつけば、ライトがぼんやりしてくる。
お値段の高いリチウム乾電池を投入したのに?
でも約12時間交換なしなので、よしとしよう。
「合掌。長い間ありがとよ。」
。。。そして、夜明けが訪れた。
さあ、大岳山へのアタックだ。
つづく